淡い月が光る空を、白い何かが飛んでいる。 ……白い折り鶴。 空を優雅に飛ぶその鶴を見つめたまま、茫然と立ち尽くした。 紙の鶴は羽をパタパタと羽ばたかせ空を暫く舞うと、それから静かに下りて来る。 鶴を追う様に視線を落とすと、そこには一人の男の姿が見えた。