……そうだ。 ……寝てる場合じゃない。 急に頭に浮かんだ記憶に、思わず小さく息を漏らした。 皇楼に戻る前、瑠愧が言っていた事を思い出す。 《凪には皇楼でやってほしい事があるんだ》 そう言って瑠愧は簡単に私にやるべき事を説明してくれた。 《壱、皇楼の中庭の丁度中央に生えている大きな木に印を刻む》 《弐、皇楼に居る二匹の式神の首輪の、太陽と月の石を手に入れる》 《参、出来るだけ皇楼の全景を把握する事》 以上三点を私にやってほしいらしい。