そっと目を開くと、淡く光る月が見えた。 静寂の中、開けられた窓から微かに冷たい空気が流れて来る。 ……私…… 頭を押さえたまま布団から身を起こすと、曖昧だった意識が覚醒する。 ……また寝ちゃったんだ。 壁に掛けられている古めかしい時計を見ると、時刻は二時を回っていた。