「……これはマズイ。当主が二人も居たら敵いそうにもないな」 魏戎はワザとらしくそう言うと、フラフラと立ち上がり魅麗と瑠愧に目配せをする。 「魏戎!これ以上は危険よ!!撤退しましょう!!」 魅麗がそう言って魏戎に駆け寄ると、そのまま彼を担ぎその場から逃げる様に走り出した。 「……は?」 それを見た小金井さんは逃げ出した二人の背中を見つめたまま、ポカンと間抜けな顔をして口を開けている。