まるで血の様に赤い空が、次第に暗く深い闇に覆われて行く。 その呑みこまれてしまいそうな美しい空に、何故だか急に……不安になった。 心の何処かで、彼等が来なければいいと思っているのかもしれない。 ……帰りたくなかった。 あの閉鎖的で束縛されたあの場所は……酷く居心地が悪い。 父があそこに居なければ、絶対に足を踏み入れたくない場所だった。 ……そんな事思ってるから、届かないのかな。