「皇楼の結界の入り口は樫月と日向の力で封印されていて開かないんだ。今のままじゃ結界に近寄る事も出来ない」 隣に座っている少年はサラダを食べながらそう言うと、静かに私を見つめた。 「皇楼には二頭の狼がいる。それが結界の鍵」 「見た事ある。大きな銀色の狼だよね?」 「そう」 私のその問いに少年はコクリと頷いて返すと、コトンとテーブルにフォークを置いた。