……これは誰の記憶? その問いに、自分自身が答えを見つけ出す。 ……これはきっと……母の記憶。 あの赤ん坊は……私。 母の意識に私の意識が重なっている。 ……どうしてこんな光景が見えるのか。 その理由は分からない。 でも確かに今分かるのは……これは悲しい別れの時だと言う事だけ。 母の心に共鳴するように、私の胸が壊れそうな程、激しく痛んだ。