そっと部屋の扉を開くと、薄暗い長い廊下が見える。

照明の少ないその廊下は静かで、やはり何の気配も感じられなかった。

……ここには三人だけで住んでるのかな。

そんな事を考えながら廊下を進んで行くと、何処からか誰かの声が聞こえた。

ボソボソと話声が聞こえるが、それが何と言っているのかまでは聞き取れない。

その声に誘われる様に、ゆっくりと声の聞こえる部屋へと近付いて行く。

するとその声は、次第に甘さを帯びていく事に気が付いた。

微かな吐息と、囁く甘い声。

その声に導かれるまま進むと、部屋の扉が少しだけ開いていた。

息を殺し、そっと中を覗き込む。

そして目に入った光景に、ゴクリと息を呑んだ。