それから車が三十分程走り続けると、とても高い高層ビルの前に止まった。 「着いたぞ」 火伏さんに促されるままに車を降りると、目の前の高層ビルを見上げた。 ……何十階建だろうか。 綺麗にガラスの嵌められたそのビルは、まるで空に届きそうな程高く聳え立っている。 「じゃあ……また」 助手席の窓を開けて眞水さんが小さく手を上げると、そのまま彼を乗せて車は走り去った。 「……行きますか」 そう呟いた火伏さんにコクリと頷いて返すと、そのまま二人でビルの地下へと入って行った。