自己陶酔しながら、マニアの世界に浸りつつ、僕は、引き金を引いた。
『 バキョッ! 』
エアーソフトガンとは思えない、強力な発射音と共に、0・25gの重量ストレート弾が、サバラスの額に吸い込まれて行った。
・・・やっちまった!
これで、元の体に戻れる可能性は、ゼロだ・・・!
ストックを握った瞬間、何の躊躇も無く、トリガーを引いてしまった。 これも、体に
染み付いた、フィールドの影響か・・・!
サバラスは、口をモゴモゴさせると、額から打ち込まれたハズのBB弾を、プッと
吐き出した。
「 ・・・・・ 」
お前は、手品師か。
僕は、狂ったように、サバラスの頭部を連射した。
『 バキョッ、バキョッ、バキョッ! 』
同じように、サバラスは口をモゴモゴさせ、スイカの種を出すように、ぺぺぺっ、と吐き出す。
「 いやあ~、コレが、針治療というヤツかね? 結構、面白いコトするもんだねえ 」
・・・ダメだ。 これでは、ヤツに誤った知識を植え付けるに他ならん・・・!
しかし僕は、更に猟奇的な発想に出た。
( 目を狙ったれ・・・! )
ヤツのサングラスに狙いを定め、連射!
・・・全て、跳ね返された。
スチール缶を撃ち抜くんだぞ? あのサングラスは、一体、何の材質で出来てんだ?
「 そのサングラス、鉄か? 」
「 シリウスの、硬化テクタイト製。 100円ショップのとは、ワケが違うぞい? 」
よく分からんが、凄い事には、違いない。
しかも、よく見ると、BB弾を打ち込んだ跡が、消えている。 物凄い生態機能だ。
こいつらは、ケガをした事がないらしい。
僕は尋ねた。
「 体を、引っかいたりした時、どうなるんだ? 」
サバラスは答える。
「 よく分からんが、頭ちぎれても、すぐ生え変わるよ? 」
トカゲか、お前らは。 しかも、頭まで生えて来るとは、どういうこっちゃ。 さすが、宇宙人だぜ・・・