藤村は補足する。
「 榊原は、関係に気付きながらも、何とか、梶田を思い留まらせようと画策していたのですが、武村と岸本が、強行な手段に出てしまいまして・・・ 」
「 暗殺か? 」
龍二が聞く。
「 ・・・はい。 それも、校内で・・・! この事は、学校関係者が揉み消していまして、外部には漏れていません。 榊原は、非常階段の踊り場で全身24ヶ所を刺され、外出血性ショック死です 」
あの~・・・ 僕、帰っていい? 聞かなかったコト、にしたいんだけど・・・
四代目 新会頭は、マサくん、てコトでどう? 龍二くんでも、いいよ。ね? どう?
こんな、中国マフィアか、米国の麻薬シンジケート真っ青な話しには、ついていけん!
数人の部員が興奮し、立ち上がりながら僕に言った。
「 会頭っ! 仙道寺に、殴り込みを掛けましょうッ 」
「 先手必勝です! 待っていたら、端から消されて行きますよっ・・・! 」
興奮するな、君ら。 その前に、僕がこの場から逃げ出したい。
マサが動じず、言う。
「 鬼龍会は、自衛組織だ。 基本行動に、攻撃手段の選択は無い。 その活動趣旨の全うは、姉御の意志でもある・・・ 」
カッコいいね、星野って。
・・・でも僕、すっごい不安なんスけど・・・?
朝倉が言った。
「 今のところ、ウチに対して友好的なのは、近隣の桜ヶ丘高校と、因幡大学付属女子、陽南高校、多岐学園の四校・・・ この、四校の安全も保障してあげないと、海南か常盤の傘下に取り込まれてしまうわ 」
多岐学園と言えば、かすみの通っている学校だ。 この、武蔵野明陵と並ぶ名門で、女子高である。
龍二が補足する。
「 桜ヶ丘と陽南には、桜陽連盟がある。 だが、因幡付属と多岐学園は、名門の女子高だ。 不良集団も、自衛組織も無い。 狙われるとすれば、この辺りだな 」
二見が進言した。
「 因幡も多岐も、定期的に探りを入れております。 今のところは、不穏な動きは無いかと・・・ 」
朝倉が、二見に指示をした。
「 非常事態です、理恵。 定期ではなく、常時にしておくように。 いいわね? 」
「 承知いたしました・・・! 」
う~ん、カッコいいね、君たち。
朝倉が情報局の局長で、二見が、現場の専任主任みたいだ。 女にしておくのは、もったいない。 僕と代わらない?