ふと今日は、数学の課題の提出日だった事を、思い出す。
( くっそ~う・・・! ダメだ、休めん。
 女子だったら、体調悪くて・・・ なんつ~言い訳が、出来るのにな。
  でも毎月、ホントに、そんな体調の悪い日があるなんて、女子は大変だなあ・・・ )
朝っぱらから、くだらん想像をしていたら、そのままの体勢で、ウトウトと、十五分が
過ぎてしまった。
イカン! 電車に乗り遅れる!
ガバッと、起き上がり、ベッドから出る、僕。
乱れた髪が、頬に掛かる。
( 随分、伸びたな・・・ そろそろ、切りに行くか )
妙に、後ろ髪も、長くなったように感じる。
幼馴染みの、健一のお袋さんが、美容室を経営していて、僕は、小さい頃から、健一の
お袋さんに、髪を切ってもらっている。
健一のお袋さんは、ひょうきんな性格で、僕は好きなのだが、面白半分に髪を切るから
イヤだ。
絶壁刈りとか、ウルトラマンヘアー( 想像に任せる )とか・・・
したがって、かなり伸びないと、行かない。 そろそろ、さっぱりするかな・・・?
大あくびをし、そんな事を考えながら、一階の洗面所へ降りる。
コップに入れられた歯ブラシを取り、磨き粉を付ける。
口に歯ブラシを突っ込み、シャカシャカさせながら、ふと、横にあった、鏡を見た。
「 ・・・・・ 」
女の人が、立っている。
僕と、同じようなジャージを着て、歯を磨いている。 しかも、コッチを向いて。
「 お・・ おふぁようございわす 」
とりあえず、挨拶をする。