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これで、きっと何の心配もない。
そう思っていたエンチェルクは、モモの帰還を沈痛とともに受け入れることとなった。
港町で出会ったことのある男が、武の賢者宅の玄関へと現れたのだ。
カラディ。
ロジアと懇意の異国人だ。
その男の背に背負われていたのは、モモ。
「モモ!」
エインは、血相を変えて彼からモモを奪い返そうとする。
「全身打撲だ…そっと受け取れよ」
不機嫌なカラディの声に、彼は一度全ての動きを止めた。
生きていることの確認と、ひどい有様への衝撃を同時に受けたのだろう。
ただぐったりとして気絶しているモモが屋敷に運び込まれるのを横目に、エンチェルクはそこへ留まり続けなければならなかった。
何があったのか。
それを、聞かなければならなかったのだ。
「ユッカスは、捕まった。魔法を使うのが、イデアメリトスだけだというのなら、おそらくそいつに…」
生け捕り。
ヤイクの希望通りの結末を、得たわけだ。
だが、その代償は決して軽くはなかった。
モモは動けないでいるし。
「キク先生は?」
そう、彼女が戻ってきていないのだ。
「…爆弾からモモをかばった」
カラディの言葉は、簡潔でいい。
勿体ぶった言い方をしない。
かばわれたモモがあの状態だというのならば、キクはもっとひどいことになっているということである。
覚悟は、決められる。
キクから習ったことだ。
命を賭けた時から、それはいつか必ず訪れる。
エンチェルクは、なおもまっすぐにカラディを見た。
「…ユッカスと一緒にイデアメリトスが連れて行った。その後は、知らん」
覚悟の、ほんの一皮上に乗った言葉。
太陽が、キクの命に尽力してくれるというのだ。
ああ。
エンチェルクは、つい笑ってしまった。
カラディに奇妙な目で見られたが、気にすることはない。
キクほどにもなると、簡単には死なせてはもらえないのだと思ったら、おかしくなってしまったのだ。
これで、きっと何の心配もない。
そう思っていたエンチェルクは、モモの帰還を沈痛とともに受け入れることとなった。
港町で出会ったことのある男が、武の賢者宅の玄関へと現れたのだ。
カラディ。
ロジアと懇意の異国人だ。
その男の背に背負われていたのは、モモ。
「モモ!」
エインは、血相を変えて彼からモモを奪い返そうとする。
「全身打撲だ…そっと受け取れよ」
不機嫌なカラディの声に、彼は一度全ての動きを止めた。
生きていることの確認と、ひどい有様への衝撃を同時に受けたのだろう。
ただぐったりとして気絶しているモモが屋敷に運び込まれるのを横目に、エンチェルクはそこへ留まり続けなければならなかった。
何があったのか。
それを、聞かなければならなかったのだ。
「ユッカスは、捕まった。魔法を使うのが、イデアメリトスだけだというのなら、おそらくそいつに…」
生け捕り。
ヤイクの希望通りの結末を、得たわけだ。
だが、その代償は決して軽くはなかった。
モモは動けないでいるし。
「キク先生は?」
そう、彼女が戻ってきていないのだ。
「…爆弾からモモをかばった」
カラディの言葉は、簡潔でいい。
勿体ぶった言い方をしない。
かばわれたモモがあの状態だというのならば、キクはもっとひどいことになっているということである。
覚悟は、決められる。
キクから習ったことだ。
命を賭けた時から、それはいつか必ず訪れる。
エンチェルクは、なおもまっすぐにカラディを見た。
「…ユッカスと一緒にイデアメリトスが連れて行った。その後は、知らん」
覚悟の、ほんの一皮上に乗った言葉。
太陽が、キクの命に尽力してくれるというのだ。
ああ。
エンチェルクは、つい笑ってしまった。
カラディに奇妙な目で見られたが、気にすることはない。
キクほどにもなると、簡単には死なせてはもらえないのだと思ったら、おかしくなってしまったのだ。


