「んー?」
いや、んーて。可愛いけど、何て呑気な。
笈原はブランコから降りて、しゃがんでるあたしを包みこむ感じに、抱きしめている。
あたしの顔のすぐ横に、笈原の顔がある。
あたしはこんなにドキドキしてるのに!
ていうか、何!何、このいきなりな展開!!
「…なぁ、矢田」
「な、何…?」
てか、温かいな笈原。ホカホカ。
ふんわりと、笈原のいい匂いがする。
…って、おい。
いい匂いとか、あたし怪しい。
「……あー。もう、なんかさ」
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