「…笈原は、梨音ちゃんのこと、もう好きじゃない?」


そう言った声が、少し震えてしまった気がした。


笈原は気付いたかな…。



「矢田」

「…ん?」



名前を呼ばれて顔をあげると、ちょいちょいと手を動かして“こっち来い”とやられる。



「来て、矢田」



あたしはブランコから立ち上がって、ブランコに座る笈原の前にしゃがんだ。


「へっ!?」


と思ったら、次の瞬間にはギュッと笈原に抱きしめられていた。


え!!瞬間、技!?


「…おお笈原さん…!」