その温もり、その香り、あたしの腕を包みこむその感触、 ――――全部が利揮のもの。 ………好き。 あたしは利揮が好き。 大好き。 「俺が、詩乃佳を全部受け止める。 不安とか、怖さとか全部。俺のせいだけど、だからこそ俺が全部受け止める」 「……うん」 「もう絶対離さない。 だから、俺のそばにいて。また二人で、始めていこ。 俺、詩乃佳じゃなきゃダメなんだよ…」 「…うん…」 ギュッとあたしも利揮に抱きついた。 「利揮…」