princess~私の宝物~


息が苦しくて、何も考えられなくて、

ただ、自分の親友を奪ったこの世界を恨んだ。

【なんで利香なの?なんで私だけ残すの?】

自分の運命を恨んだ。

未来が見えない。

ドンドン

【姫奈?ドアを開けて】

【ごめん。お母さん、今はね一人でいたいの】

【あんまり一人で悩んでちゃだめよ・・・】

そういってドアから遠ざかった。

私はずーっとずーっと泣いた。

携帯をとりだして利香とのメールのやり取りや、利香との写真を見た。

思い出した。心の中を私の記憶。

楽しくてしょうがなかった、あの記憶。

一つ一つの会話。約束、写真。全てが鮮明に浮かんだ。