princess~私の宝物~

「誰か助けて!!!!」

「ダメよ姫奈。次はアナタが輝く番よ*自分を信じて前を見て」

「無理!私にはもうなにもない。親友も夢も・・・。何もないの!!!!!こんな世界なんて終っちゃえばばいいんだ!!!」

「それじゃぁ何も変わらないじゃない!あなたは沢山のものを持ってる!!!目に見えないもの、見えるもの沢山持ってるじゃない!何もないなんて言うな!」

「・・・・」

「もっと周りを見てみなよ!心の中を見てみなよ!あなたは一人じゃないの!自信を持って!」

「・・・・」

「前を向いて!進まなきゃ意味が無い!歩かなきゃ意味がないの!立ち止まってないで!自信を持って!」


チュンチュンチュン

ん・・・・夢・・・

朝?

目を開けようとしてもまぶたが重くてなかなか上がらない。

起き上がろうとした、その時頭と腰に激痛が走った。

(いたっ・・・)

それと同時に記憶がよみがえった。

あのことも、あのことも全部・・・・。

涙がこぼれるのをグッと堪えた。

ガチャ

ドアが開いた。

【姫奈!?】

ゆっくり頭をドアの方へ向けるとお母さんが涙を浮かべて私を見ていた。

その時私は自分のしたことを重大さに気付かされた。

お母さんは私をそっと抱き寄せて

【よかった・・・。本当によかった・・・】

と何十回も何百回も繰り返していた。

私はお母さんの抱きしめる手が暖かくて、本当に温かくて救われた。

【ごめんなさい・・・】

心に空いた穴。少しだけ縮まった気がした。

私はたった一人の家族、大切な人を残して、行ってしまおうとしていたのか・・・・。

利香が死んでしまって私が悲しんだ。

私が死んでしまったらお母さんは悲しむに違いない。


私は自分勝手だ。大切な人を振り回して、いざと言うときは助けてもらって。現実に逃げてただけだ。


そしてお母さんから話を聞いた。

私が3日間眠っていたこと。頭と腰強く打っていた事。