princess~私の宝物~

少し坂を下りて莉那のところへ向かった。

自然の中で演技する莉那はとっても可愛かった。

「あれっ、このシーンどんなだったっけ・・・」

独り言を言っているに莉那に利香が、

「それはね、姉妹が生徒に国語を教えるシーン」

振り返った莉那の表情はビックリしていた。それと同時に少し恥ずかしそうに目線をそらした。

「こんな所で何してるの?」

「先輩達には関係ないですよね。帰ってください」

「あたし達もこの演劇出るから関係あるもん」

「だけど・・・」

「あたしもセリフ読み手伝うよ?」

「いいですから、帰ってください」

「そんな事いわずに*」

そういうと利香は莉那の手にある台本を取った。

「じゃぁ、12ページからね。姫奈も参加してよね?」

「あっ、うん」

莉那は少し嫌がる表情だった。でも「返して」とは一言も言わなかった。