princess~私の宝物~


「大丈夫*あたし頑張ってみるから」

「・・うん。分かった。利香だから大丈夫だよ*あたしにも出来ることあるなら言って」

「分かった」

莉那。


【あたしはみんなより練習も頑張ってるのに】

確かに莉那はみんなより練習にも集中して参加してる。部活中に遊んでる子がいると、注意もする。他の子に厳しいけど、それよりずっと、自分に厳しく練習に励んでいる。

そんな莉那を利香はちゃんと見ている。だから大丈夫。


莉那とはその後、全然話すらしなかった。

利香は莉那に沢山、声をかけていた。

「莉那*あのシーンの所とってもよかったね*すごい*」

「笑顔で楽しもうよ*楽しいほうがいいじゃん?」

でもその言葉すら無視していた。

「姫奈。あたし全然ダメだ・・・。声かけても顔すら合わせてくれない」

「大丈夫*自分を信じて続けなって*」

ここで私が「そうだね・・・。もう無駄じゃない?」とか言ったら利香は絶対に迷ってしまうと思ったから。

「そうだよね。頑張る!」

「うん*絶対に成果はついてくるから*」


莉那はどう思ってるんだろ。あれだけ利香に話かけられて、気にしないはずがないよね。