「待てぃっ!!」
逃げようとした私の襟首を再び逃すかと引っ張られる。
やばいっ!!
そう思った私は、片言の日本語で、宮っち訴えかけた。
「セ、センセイ、ワタシ、オナカガ「片言で喋ってもダメだ。」
ちっ。
「今、舌打ちしたか…?」
恐い笑みをうかべる宮っちに、大袈裟に目を見開いてびっくりした顔で、
「そんな!!宮林大先生に向かってめっそうもない!!」と言うと、
「はははは!!そうだろうな!!まさかこんな偉大な俺様に向かって逆鱗に触れることはやるまい。」
両手をそれぞれ腰にあてて、のけ反るようにして笑っている。
「……。あのー、そろそろ帰ってもいいですか?」
今でもガハガハ笑っている宮っちに控えめにもう一度聞くと、
「いいわけないだろう!!この阿呆!!
日ごろの行いの罰として、今から教室掃除しろ!!」
がらりと急に態度が変わり、いつも通りな宮っちに戻る。
「何で!?私、日頃良い行いしかしてないのに!?」
「いつも俺の授業(数学)中に毎回寝るのが日頃の良い行いなのか!?」
「睡眠しながら先生の話、聴いてますよ」
「……夢見ながらな。
そんなの聞いてるうちに入らん!!」
「…じゃあ、睡眠しながら学習してます。略して、睡眠学習。」
「じゃあ、って何だ!!じゃあって!!
お前適当に答えるな!!
略してもそのままじゃねーか!!」
「ザ・睡眠学習、サイコー☆」
「人の話を聞けっ!!」
……このコントみたいな会話、いつまで続くのかな……。