蝉が鳴いていた。
ぽつり、ぽつりと二、三匹。
低くなった太陽の、蒸し暑い日差しの中で、小さく空気を震わせる。
畦道は砂まで静かに黙っていて、風の音も聞こえない。
私は木陰の下で。
葉の隙間から射し込む西陽が瞼を透かした。
あ、
不意に蝉の鳴き声が途絶えた。
気配まで消えてしまったかのように、
何も、聞こえない。
ぽとり。
風がひとつ吹いて、私の顔の近くに何か落とした。
ぽとり、ぽとり。
二、三度軽い音がしたのち、夕立がやってきた。
私はじっと横たわっていた。
ぽつり、ぽつりと二、三匹。
低くなった太陽の、蒸し暑い日差しの中で、小さく空気を震わせる。
畦道は砂まで静かに黙っていて、風の音も聞こえない。
私は木陰の下で。
葉の隙間から射し込む西陽が瞼を透かした。
あ、
不意に蝉の鳴き声が途絶えた。
気配まで消えてしまったかのように、
何も、聞こえない。
ぽとり。
風がひとつ吹いて、私の顔の近くに何か落とした。
ぽとり、ぽとり。
二、三度軽い音がしたのち、夕立がやってきた。
私はじっと横たわっていた。