屋敷内に入ると、下っぱたちが並んで待っていた


まぁ、これはいつもの事なんだけど、今日は少し違う


「…お父さん、お母さん…」


二人が、いた


こんなこと初めてで、少し羽琉に嫉妬した


…やな奴だなぁ…私


『おかえりなさいやせッ』


下っぱたちが声を張り上げて挨拶をする


自然と顔が緩むのが分かった


だって羽琉…また泣いてるんだもん


「…泣き虫」


そう言って、さっき返してもらったタオルをもう一度渡した


「…だだい"ま"」