…でもそんなこと …許されない。 「拓哉くん…」 「ん?なに?」 「…やっぱなんでもない」 私は首を左右に振った。 言いたい。 言いたいよ… 私は南 留衣じゃない。 …橘 優奈…。 優奈なんだよ。 「じゃぁ俺はそろそろ帰ります」 太陽が上がりきった頃、船越はそぅ言って立ち上がった。