「美希!!!
 おはよーーーッ」

美希と同じクラスの太刀川 亜実がいつもの様に元気に挨拶して来た。

「たちか・・・亜実、おはよう♪」

美希はいつも通りではなかった。

「優希!!!
 よぉ!おはよう」

優希と同じクラスの大川 弘斗がいつも通り元気な声で挨拶した。

「おおか・・・弘人、よぉ」

優希はいつも通りではなかった。

弘斗は10メートル先の亜実を見つけると、

「亜実ーーーーッ!!!!!」

全力疾走で亜実のほうに走って行った。

「きゃッ、弘斗」

弘斗は優希を呼ぼうと後ろを向くと、変化に気づいた。

優希がバッグを両手で持っている。

「何だ、その持ち方・・・??」

美希はギョッ、とした顔で優希を見た。