べガとアルタイルの軌跡

「そう言えばさ……さっきのスターライトウインクを見た時、夏にやった花火を思い出したんだ」

「えっ? 槙原くんも?」



驚いて、思わずそう言ってから、ハッとして口に手を当てた。



槙原くんが、再び私を見た。

何も言わない。

でも……すごく温かい微笑み。



ねぇ、槙原くん。

その笑顔を見ていたら、私、『もうこれで十分だ』……そう思ったんだ。



たくさんの楽しい思い出をもらった。

そして、それは私1人が感じてるんじゃなくて、槙原くんも同じように感じてくれてたんだ。



そう分かったから……。

私、もし槙原くんと会えなくなったとしても……1人でなんとか、やっていける。



そう思ったんだ。