べガとアルタイルの軌跡

「あれっ?」

えっ?



私がページェントの方を見上げていると、斜め前方から不思議そうな声がして、思わず声の主を見た。



ドキン!

えっ、なんで?



「すっげー偶然! 何してんの、こんなとこで」

「それはこっちのセリフだよ? 槙原くんこそ」



そこまで言ってから、言葉に詰まった。

もしかしたら、デートかも。

定番のデートコース。



だけど。



「俺は図書館に用事があって……この後、友達と飲み会だから、時間潰してブラブラしてたんだ」



彼女と一緒じゃないんだ。

私、その言葉にホッとしている。



「私はここでやってたイベントを見て、今から帰るところ」

「ふーん」



槙原くんはそう返事をした後、フッと思い出したように、ページェントの方を見た。