ホント、バカみたい。

君がここに居る訳ないのに。

君は今頃、東京であの人と幸せな生活を送っている筈なのに。



もう、止めよう。

今年で終わりにしよう。



それでも名残惜しくて、『最後に1往復だけ』……そう思って歩いたけど、結局、結果は同じだった。

私はまだ賑わっている花火大会の会場に背を向け、仙台駅を目指して歩き始めた。



今年で終わりにしよう。



だから。

最後はあの思い出の場所で、思い出の花火で締め括ろう。



そう決心して、私は大切な場所へ向かった。