べガとアルタイルの軌跡

「大丈夫だって、こっちですればいいだろ?」

男女数人のグループが、私達から少し離れた場所で、同じように花火をするようだった。



思わず、槙原くんと顔を見合す。

話の続きは、気になる。

でも……そんな雰囲気じゃ、なくなったよね?



槙原くんは苦笑いをした。

私達の花火は、もう残すところ後1つ。

地面に置いて見る花火。

槙原くんはそれをセッティングして、火を点けると慌てて離れて私の隣に立った。



シャー――

私がここに来て、フライングで点けた物と同じだった。

金色の光。



槙原くんが、ボソッと言った。



「さっきの話の続き、3月になったらするから、それまで忘れて」

「……うん」



こうして、私達の今年の花火は、終わった。

すごく気になる余韻を残して……。