べガとアルタイルの軌跡

お互い、就職先は内定済み。

だから、ギリギリまでバイトをするって言ってたから、3月までは一緒だけど……。

就職したら、きっと忙しくなって『元バイト仲間の女友達』となんて、会う機会は無いと思う。



だからって、少しでも目に焼き付けておこうとする私の心理……矛盾しているけど、『恋心』のような気がする。



複雑だ。

2人の関係を終わらせたくないから『友情』でいい。

そう思っている筈なのに、心の何処かで『こうして居られるのも学生の間だけ』と思っている。



どうせ終わりなら、『恋』でもいいんじゃない?

なのに、踏み切れない私は……きっと、まだ恋をする事に臆病なままの私なのかもしれない。



「この川さぁ」



ん?

私がいろいろ考えながら花火をしていたら、槙原くんが話し始めた。



「よくよく考えてみたら、俺達にとっての『天の川』だよな?」

「えっ?」

「俺が転校してから、この川のあっちとこっちに別れてずっと居たんだからさ」

「ああ、そうか……そうだね」



思わずそう返事をしてから、疑問に思う。