べガとアルタイルの軌跡

「ほら。早くしないと、俺1人で全部やっちゃうぞ」

槙原くんは既に2つの花火を手にしていて、どちらも火が点いていた。



ね?

『恋』は、いつか終わってしまう。

付き合い始めても、どちらかに他の好きな人が出来たら……『さようなら』。



でも……。

『友情』なら、終わらないでいられるよね?

私……槙原くんとは、出来ればずっと、こんな感じで一緒に居たいんだ。

そう思っているのは、私だけかもしれないけど。



「ダメ! 私もする!」

私はクスクス笑う槙原くんにそう宣言して、同じように両手に持って火を点けた。



色とりどりの花火。

さっきまで暗闇だった場所が、いろんな色の光で明るくなっていた。



ねぇ、槙原くん。

ずっと一緒に居たいけど……。



花火をしながら、時々、槙原くんを見て目に焼き付けていた。



きっと、今年で最後だよね?