べガとアルタイルの軌跡

「うん。あのね、毎年、私の誕生日にお菓子くれたの、『お祝いみたいだなぁ』って思ってたんだ……知っててくれてたなんて、気が付かなかった。ありがとう」



私の言葉に、嬉しそうに自分のポケットを見ていた槙原くんの視線が、再び私の方に向けられた。

そして。

フッと優しい微笑みを浮かべて、言った。





「おまえのそんな素直なところが、好きなんだよなぁ……さぁて、花火、ドンドンやるぞぉ!」





槙原くんはそう言うと、並べて置いていた花火の所に行った。



あ、れっ?

なんか、今、サラッと重要な事を言われたような……。

頭の中で、リプレイ。



『おまえのそんな素直なところが、好きなんだよなぁ』



……気のせい?

『好き』?

告白……って感じじゃ、ないよね?



花火を物色している槙原くんを見た。

うん、どう見ても、そうじゃないよ。

ほら、友達同士でよく言う感じだよ。