べガとアルタイルの軌跡

シャー――

地上1m位の位置で、金色1色の明るい光が輝き出した。



うわぁ……綺麗……。



「おーい、フライングだぞぉ」

ドン

あっ。

そんな言葉と同時に、槙原くんの腕が、私の肩を押した。



「だって……早く見たかったんだもん」

「おまえは我慢出来ない子供か、ったく」



今の言葉を聞いて、思い出した。

1年前から変わった事。

槙原くんは、あまり私の名前を呼ばなくなった。

以前は必ず『竹下さん、これやって』とか言ってくれてたのに、今は『なぁ』とか『ねぇ』とか……どうして呼んでくれなくなったんだろう?

みんなの前で業務連絡の話をする時、位かなぁ。



「せっかくの記念日なのに」

隣から聞こえて来た声に、ハッとした。



そうだっ! 今日は槙原くんの誕生日!

私はポケットに隠していたプレゼントを取り出した。