だからね。

昔の同級生で、大切なバイト仲間。



「さぁてと」

そう言って、槙原くんは立ち上がった。



「槙原くん?」

「残りは、また今度な」

「えっ? まだ半分位、残っているよね?」

「なんか……今日全部やるのは、もったいない気がしてきたから」



そう言って、槙原くんは片付け始まった。

『もったいない』?



「じゃぁな、また明日」



あっ。

気が付くと槙原くんは1人で全部片付けて、軽く手を振って帰って行った。



私は再会してからずっと訊けなかった事を訊けて、そして、あの『槙原夏彦くん』が今一緒にバイトをしている『槙原くん』と同一人物とちゃんと分かって、すごく嬉しかった。