それから、いつの間にか終わっていた演奏。 ステージの上には誰もいなくて、周りの子たちもバラバラと帰り出した。 「…清嘉、行かないの?」 「ごめん美央、先に戻ってて? ちょっと行きたいところがあるの… 美央は小田島くんとデートするんでしょ?」 美央は顔を赤くしながら、戻っていった。 行く間際に「頑張って」と言われたけど、あたしには頷く気力がなかったから 適当に笑って誤魔化した。 「……はぁ…」 ポツンと一人だけになったステージ前。 さっきまであんなに人がいたのに。 .