結局、教室に帰ってレジ係をやらされて……
気がつけば1時。
交代の時間だ。
あたしも美央も、隣にある控えの教室に行くと…
後ろから、誰かがあたしを呼んだ。
「清嘉ちゃん!!さっきはごめんなさい…
まさか会長の話に周りがあんなに注目するなんて……話に夢中になってて気が付かなかったの。
本当にごめんなさい!!!
これ、あげるから……許してぇ!!せっかく仲良くなれたのに…」
あたしを呼んだのは麻美ちゃん。
やっぱり本物の天然だったんだ。
そして、頭を下げながら差し出されたのは……
「…グロス?」
「うん。さっき部活の後輩からもらったんだけど、あたしグロスは使わないから。
よかったら使って!!
明るくてピンクっぽいオレンジ色だから、きっと清嘉ちゃんに似合うよ!!」
ニコッと笑って、あたしの手にグロスを滑り込ませた。
オレンジ色…
あたしの、色………
.