それは嫌だ。



大好きなかーくんが、誰かに陰で悪口言われてるなんて…絶対に嫌だ。



「ね?かーくん。」



「…そう、だよな…」



かーくんはそう小さく呟くと、私から手を離し、残っていた水を一気に飲み干した。



「今日も…陽翔に言われた。俺は一途だってみんな言ってるって。聞こえはいいけど、要は俺が付き合い悪いって言いたいんだってのはわかる。」



私や茉央と過ごす為に、かーくんはいつも早く帰って来てくれている。



でもその代償は…
きっと、大きい。



「希に言われたら…大事にしなきゃいけないって思えてきた。俺の一番はお前たちだから、お前たちがいればいいって思ってたけど、それじゃダメなのかもな…」



そう言うとかーくんは立ち上がり、寝室に向かって歩いて行った。



私も後を追う。