わかってるよ。
かーくんは私を一番に想ってくれてること。
この前、ちょっとしたイタズラ心で、かーくんに聞いてみたことがあったんだ。
『かーくんはさ…茉央よりも、私のこと愛してる?』って…
こんな質問、答えられる訳がないと思ったのに─
かーくんは当然のように『うん。俺は茉央よりも、希のことを愛してるよ。』って答えてくれたんだ。
正直びっくりした。
茉央は大事な子供なのに、私が一番だって言ったかーくん。
そんなかーくんだから、今日茅原先生に対して嫌悪感を抱いてしまったのかな…?
「希………」
そんなことを考えていると、かーくんが私の頬に手を伸ばし、そっと触れた。
左手だから…
薬指のリングが当たって冷たい─
「俺…変かな?今日のことは大したことじゃないのに…こんな気持ちになってるのは、変なのかな?」


