いつまでも玄関で抱きしめられてるのも変だし、とりあえずリビングに移動した。
「はい、水。」
少しは落ち着けるかと思い、私はかーくんに水を渡した。
「…ありがと。」
「で…何があったの?」
水を飲むかーくんの前に座り、私は聞いてみた。
「茅原先生が………」
茅原先生?
確か…
新人の先生だっけ─
「今日、初めて茅原先生とまともに話したんだ。…同僚にこんなこと思いたくないけど、嫌だった…」
それからかーくんは、ぽつりぽつりと話し出した。
今日あったこと。
お酒が入ってるとはいえ、馴れ馴れしく手に触れてきたり、寄りかかられるのが嫌だったらしい。
俺に触れるな…
そう思ったんだって。
「これで希の悪口なんて言われてたら…多分、抑え効かなかったと思う。」
かーくん…
若い先生にそんなことされても、かーくんの頭の中には私が浮かんでた。
それは嬉しいけど…
なんか複雑。


