俺は結構酒弱いし、そんな大量には飲めない。
それに、人より早く酔いが回るから、普通の大きさのグラス3杯くらいで酔ってしまうこともある。
さっきから誤魔化してソフトドリンク飲んでるけど…
どっかいいところで帰るタイミング見つけないと─
「でも残念だな〜。先生、もう結婚なさってるし…」
そんな俺の気持ちも知らず、茅原先生は俺の左手首を掴み、指輪を見ている。
正直…
俺に触れないで欲しい。
「生徒たちからもよく聞きますよ〜。杉田先生は、すごく奥さん思いだって。」
誰が言ってんだ?
まぁ…事実だけどな。
「羨ましいかも〜!」
茅原先生…壊れてる。
どう反応したらいいかわからず、俺は曖昧に笑顔を返すしか出来なかった。
希以外の女の扱い方は…
もう忘れた。
昔はフラフラ遊び歩いて、毎日違う女と一緒にいた時もあったのにな─