副担だったらなぁ…
少しは楽になるのに。



「渚ちゃんいいな〜…羨ましいよ、全く。」



渚ちゃんとは、俺たちの学年で全クラスの副担をやっている茅原 渚【チハラ ナギサ】先生のことだ。



今年大学を出たばかりの数学の先生で、他の先生方や生徒にも慕われている。



学年の先生方は彼女のことを『渚ちゃん』と呼ぶけど、俺だけは『茅原先生』で通している。



別に彼女が嫌いだとか気に入らないって訳ではないんだけど…



「あ!思い出したけど、今日の飲み会は、渚ちゃんの歓迎会だから。色々あって忘れてたから今日やろう…って、主任が言い出したんだよ。」



忘れてたって…
もう7月なんだけど─



今更歓迎会って、なんか変な感じだと思うのは俺だけだろうか?