あいつら…



隙があれば雑談して、授業をよく止めるんだよな─



時には俺にも雑談を持ちかけてくるしな…



それに乗ってしまう俺もどうかしてるんだけど。



「あ、杉田だ〜!!」



2年の教室に入ると、クラスの中心人物である底抜けに明るい男子が声をあげた。



まぁ…
俗に言う、中津【ナカツ】みたいな奴だな。



てか、次は日本史の授業だって決まってんだから、俺が来るのはわかるだろ…



「なぁなぁ、杉田!今日は話ないの〜?奥さんと息子さんの話!!」



ほらな…
また始まった。



しかも、振ってくるのはいつも希と茉央の話題だから、俺もついつい話してしまう。



随分変わったよな…
『あの頃』と比べて。



「う〜ん…あるっちゃあるな。けど、話は授業受けてから!今日のノルマ終わらせたら、残り10分くらい雑談タイムにしてやる!!」



俺がそう言うと、クラスの奴らは一斉に歓声をあげた。



全く…
単純な奴らめ。