考えた末に、私はかーくんを引っ張って、無理矢理ベッドから引き摺り降ろした。
重いよ…
「んん…いってぇ…」
「はぁ…やっと起きた?おはよう、かーくん。」
起きたのはいいけど…
かーくんは、痛そうに頭を擦っている。
「ごめん、かーくん。頭打った?大丈夫?……キャッ!!」
どこか怪我をしていないか見ようとして、かーくんの側に近付くと、急に抱き寄せられた。
「…大丈夫だよ、希。まぁ…ちょっと痛いけど。」
かーくんは体を離して私に笑顔を向けると、そっと私のお腹に触れた。
「おはよう、パパだよ。元気にしてるか〜?」
「かーくん…気が早いって。」
お腹の赤ちゃんに話しかけるかーくんを見て、私は思わず笑ってしまった。
「いいだろ…別に。」
かーくん、照れてる─
そういえば、茉央の時もこうやって話しかけてたっけ…