ここは茉央の時にお世話になった病院で、私もここで生まれたんだとお母さんから聞いた。
「…かーくん、大丈夫?」
受付を済ませた後、さっきとは一変して急に口数が減ったかーくん。
「希…俺、なんか…居場所間違ってる気がする。」
そりゃ〜…ね?
ここ、産婦人科だし。
周りにいる人も全員妊婦さんだし、この待合室に男の人はかーくんだけ。
「付いて来るって言ったのはかーくんだよ?」
茉央の時はお母さんと一緒に病院に行ったから、かーくんはいなかった。
「でもなぁ…」
「杉田さ〜ん、杉田 希さ〜ん。診察室へどうぞ〜」
かーくんの反論を聞く前に、看護師さんが私の名前を呼んだ。


