「うぇぇえぇ〜ん!!」



それと、朝の試練はかーくんを起こすことだけではない。



第二の試練。



私と茉央は、毎朝学校に出勤するかーくんを玄関先まで見送るんだけど…



その時に、茉央が泣き叫んじゃってもう大変。



パパが永遠にいなくなるとでも思っているのか、ずっと泣き止まない。



一回見送る時に茉央を連れて来なきゃいいと思ったんだけど、茉央は私の行く先に必ず付いて来ちゃうし、作戦は失敗した。



「茉央…そんなに泣いたら、パパお仕事行けないでしょ?ほら、パパにバイバイってして?」



私がそう言っても、茉央は泣きながらイヤイヤと言って首を振るばかり…



「希…ちょっと貸して。茉央〜、この泣き虫さんは誰に似たのかなぁ〜?」



泣き虫って…
私のことじゃん。



「大丈夫。パパ、今日は早く帰れるから。帰ったら一緒に遊ぼうな〜」



私の視線に気付いているのかいないのか、かーくんは手慣れた様子で茉央をあやしている。



すると、茉央はだんだんおとなしくなってきた。