「では、希を……妻を、お願いします。」



「はい、わかりました。」



寝ている希を起こすのは悪いと思い、俺は看護師さんに後を頼み、そのまま学校へ向かった。



本当はずっと側にいてやりたいけど、仕方ない。






「おはよ、一真!」



学校に着くと…
やっぱりと言うべきなのか、俺の隣の席にはもう既に陽翔がいた。



今日はいつもより早いと思ったのにな……



こいつ、いつ来てんだ?



「…うん、おはよ。」



数時間前のことがあり、少々寝不足気味な俺は、あくびをしながら陽翔に挨拶を返す。



「どしたの?一真。なんか、眠そうだけど…?」



「あぁ…うん、眠い。昨日…てか今日だけど、子供…生まれたから。」



……………



「えぇ!?!?!?」



しばらくの沈黙の後、人の少ない職員室に、陽翔の叫び声が響いた。



うるさいなぁ…