私が遠慮すると、かーくんは強引に私の手を引っ張って膝の上に座らせた。



「きゃっ…!!一体どうしたの?かーくん…」



私を後ろからギュッと抱きしめてくるかーくんから不安を感じ取り、優しく聞いてみる。



「いや…何でもない。ただ…思い出してただけ。色々あっただろ?今まで…」



確かに色々あった。



かーくんと出逢って、私との関係が学校にバレて離島に異動になって、2年間も遠距離になって…



帰って来たかーくんに改めてプロポーズされて、かーくんの誕生日に初めてひとつになって、それから茉央を妊娠したってわかって、私の両親に挨拶に行って…



お母さんはすぐ認めてくれたけど、お父さんはすっごい怒っちゃって、しばらく口を利いてくれなかったっけ。



かーくんは怒ったお父さんに殴られて、それでも認めてくれるまで何度も家に来てはお願いして…



私は何も出来ずに、ただ見守ってるだけだった─



今では孫である茉央をすごく可愛がってくれてるし、かーくんのことも息子として認めてくれてるから、もう大丈夫なんだけど。