なんか変な空気…



このままだと俺、もうすぐ茉央を泣かせそうな気がする。



「あ、そうだ!!」



なんとか事態をいい方向に持って行けないかと考えて、俺は『あるもの』の存在を思い出した。



俺は、自分の部屋にしまってある『それ』を持って来て、茉央の前に座った。



「茉央。これはな、ハーモニカっていうんだ。昔、パパが友達にもらったんだけどな。」



「……?」



俺がそう言うと、茉央は不思議そうにハーモニカを見ていた。



まぁ、説明しても2歳の子にはわからないよな─



それに、こういうのは口で言うより、実際にやってみるに限る。



そう思った俺は、茉央の興味深げな視線を受けながら、少し音を出してみた。



すると、茉央は一瞬びくっと震えて、固まった。



「やってみるか?茉央。」