スライディングした二人の後ろには砂埃が舞っていた



『間に合った―…っ。』



あたしが、安堵の溜息を零すと
早々に体勢を立て直した夏目は玄関に向かって走り出していた


安心も束の間、
あたしも慌てて後を追った


―階段を駆け上がる夏目、

の後を追って駆け上がっていくあたし


2年C組のHRは階段を出た所から
廊下の一番奥にある


間に合ったとはいえHR中の筈―、
4階一帯は沈黙に包まれていた


その中を廊下を五月蝿く走り抜ける輩が居るのだ


不快に思われることは間違いないだろうし、
何よりあたし達は相当恥ずかしい事も解っていた


それでも構わずバタバタと廊下を走り、
沢山ある教室を次々と横切って我が2年C組を目指した


後ちょっと…なんだけど、
その前に!


大分前に夏目の背中が見える!!


このままじゃ負ける!!