あたしも、夏目も
ムキになって走り続ける


―すると、目の前の校門は教頭によって
閉められ始めていた



『やばっ!!』
「やべぇっ!」



二人共同時に言って、
更にムキになって走った


そんなあたし達に気付いたのか、
教頭はぎょっとした顔で校門を閉める手を止めた


多分、あたし達の鬼のような形相に驚いたのだろう


今のあたしは相当な不細工だ


―あたし達は意味なく呻くような叫び声を轟かせながら
勢いよく門に向かってスライディングした


…あれ??
あたし、仮にも女だよ??


好きな人の前で、こんなはしたない事しちゃって良いんだったっけ??